B言語の世界

2011.12.19

3月11日、私は故郷石巻の実家、親戚、知人、友人に電話を掛け続けました。12日に日付けが変わる頃、ただ一人つながったのが友人の新妻健悦君でした。

「どんな状況になっているの」の問いに、いつもの彼らしくとても落ち着いた声で「今アトリエの二階(ロフトの様な)に妻と二人でじっとしている、一階には床上1メーター以上の水が押し寄せている、とても外に出られるような状況ではない、早く夜が明けて状況の把握がしたい」その後二日ほど2階から降りれなかったそうです。

 

新妻君は石巻高校の同級生、美術部の仲間です。美大を卒業後故郷石巻で児童絵画教室「アトリエ・コパン」を主宰しています。子供が本来持っている個性、感性を大事にする彼のユニークな美術教育は日本国内のみならず海外からも注目を浴びています。平成20年には日本美術教育学会の奨励賞を受賞し、現在は宮城教育大学講師として後進の指導にもあたっています。

 

東京での展覧会《「B言語の世界」ー秘密を探すこどもたちーアトリエ・コパンの実践・展》の案内状が送られて来たのは11月の初めの事でした。

一昨日私は東京四谷へ出かけました。

 

「造形言語のA」(A言語)

身辺世界を瞬時に既得像(具体像、概念)で解釈しようとする、いわゆる大人の観かた。

「造形言語のB」(B言語)

子供たちは生まれ持った五感で物を見、聞き、既得像にとらわれない創作をします。(チョッと難関なので、私が解釈をしてみました)

 

B言語の世界

「花を描く・粘土でうさぎを作る」をやめて、主題から解放されると「探索的な衝動-B」の出番です。造形のベースとなる色彩や線や素材そのものを自立させ、"解"の想定をやめて未知に向かって走り出す・・・・・そんな子供たちは精神の冒険を開始します。

アトリエ・コパン主宰 新妻健悦

 

 

四谷ひろば.JPG会場はCCAA アートプラザ ランプ坂ギャラリー(旧四谷第四小学校)東京おもちゃ博物館としても知られています。

期日は12月14日(水)から25日(日)まで

 

コパン・パンフ.jpg

 

会場-1.JPG会場-2.JPG「ワンボックスカー一台に積めるだけ 持って来たんだ―」と言っていた作品は一点一点とても面白い物でした。

 

 

阿部仁.JPG

 阿部任君の作品

 被災から九日目、奇跡的にお婆ちゃんと救助された阿部任君は救助のヘリを待つ間、警察官の「将来何になりたい」との問いに「芸術家になりたい」と答えたそうです。このニュースを見ていた私は直感で新妻君のお弟子さんだな、と思いました。案の定、任君はアトリエ・コパンの生徒だったのです。

 

五人.JPG 会場で,私の横が新妻君、新妻夫人、新妻夫人のご友人、彫刻家翁譲氏

全員宮城県出身者です。

 

この後皆さんで夕食、懐かしい話や珍しい話で、楽しい一時を過ごす事が出来ました。